FXは、複数のチャートを見て相場を分析することが大事、というようなことはよく言われます。
これは確かにそうです。1つのチャートだけを見ていても、相場の流れの一部分だけを見ていることになるので、トレードの精度は上がりにくくなります。
スキャルピングでも同じことが言えます。例えば、1分足を短期とし、5分足を中期、1時間足を長期としてチャートを見ることで、スキャルピングトレードの精度は上がります。
ですが、複数のチャートで分析をする前にすべきことがあります。
複数チャートを見る前におさえておきたいポイント
複数のチャートで分析をする前にすべきこと。
それは、単一チャートでの相場分析力を高めることです。
「え?どういうこと?チャートの見方がわかったからマルチタイムフレームでチャートを見たいんだけど…」
と思われるかもしれません。
たしかに、1つのチャートだけでは相場の流れは掴みにくいですし、深く分析するには、複数のチャートを見てトレードするのが良いに決まっています。
ですが、注意点があります。
単一チャートでちゃんと相場分析ができていますか?
例えば5分足を見ていたとしましょう。
そのチャートをパッと見て、どんな状況が判断できますか?
これは非常に重要なことです。
単一チャートを読み取る力が付いていないと、複数のチャートを開いてもちゃんと分析できません。
複数チャートを見ずに直近の相場状況を把握することが大切
例えば、こちらのチャート。
この後、どういった動きをイメージできますか?
チャートの左側が見えませんが、そこは今回は気にしなくて大丈夫です。サポートなどもないとお考えください。
このチャートの一番右側の事実としては何が言えるでしょうか。
ここが肝心です。上位時間軸は関係ありません。
チャートその後
このチャートで言えることは、5分足の上昇トレンドは崩壊し、下降トレンドに移行している場面、ということです。
大陽線を見ると、飛び乗りしたくなるような場面にも見えそうですか?
上昇トレンドは明確に崩れ、高値・安値も切り下がっている状況です。上がっていくのはちょっと抵抗が強いと言える相場です。もちろん、こういった状況でも上がっていく可能性はあります。しかし、可能性の話をし出すときりがありません。相場状況に基づき、「どちらに動くのが自然な動きか」を見極め、その方向でトレードする方が勝ちにつながりやすいです。
※斜め線は相場の流れをわかりやすくするためのもので、適当に引いています。
複数チャートを分析できるようになるには
5分足チャートを使用して見てみましたが、こういった判断は、単一チャートを見るだけでできます。
逆に、単一チャートの相場状況がわからない状態で、複数のチャートに手を出すのはまだ早いと言えます。
さらにややこしくなります。
1つのチャートを深くまで読み取ることができたら、複数のチャートで分析してみましょう。
ややこしい、と感じることなく見れるのではないでしょうか。
慣れるには時間がかかるかもしれませんが、単一チャートをちゃんと見るようになっていれば、難しくはないと思います。