1分足でダウ理論を考える

1分足には、どんなイメージをお持ちでしょうか?
「ノイズが多い」「騙しが多い」といったことも言われたりしますが、高値・安値は当然のように意識されます。

今回は1分足で少しダウ理論を考えていきたいと思います。

ダウ理論を考える前にまずはシンプルな1分足のチャート

まずはチャートです。ユーロドルの1分足です。チャートはけっこう縮小して見ています。

1分足シンプルなチャート

僕は1分足を見る時はいつもこの大きさです。この縮尺だと、ローソク足もバーチャートになります。

どこに意識してチャートを見るべきなのか、自分なりにこのチャートを判断したいと思います。
次のチャートは僕自身が色々と手を加えていますが、これが正解とか不正解とかありません。あくまで僕はこんな見方をしています、という個人的な見方です。

ダウ理論を考えるために1分足チャートにラインなどを追加

色々と付け加えたチャートです。

1分足チャート ダウ理論 ライン

かなりラインを引きました。
普段はこんなに引きません。頭の中で引いています。ほとんどのチャートは、現在のレートで水平線が引かれますね。僕はそれを見ています。
これは僕のやり方なので真似する必要もないですが、チャートの見えている範囲内で、意識されている安値や高値などが確認できるのであれば引きません。ラインを引く場合はチャートの左側に、意識されている価格帯が見つからない場合のみです。

黄色の四角形は、押し安値や戻り高値として見ているトレーダーがいる=意識されている高値、安値です。
黄色の楕円のところは、少し逡巡が起きていますね。結果的に下がっていますが、上がって行く可能性も充分にあるポイントです。

ラインを引いてみると難しそうな印象を受けるかもしれませんが、見ているところはシンプルです。高値、安値を更新したかどうかとサポートレジスタンスの転換です。

ダウ理論のトレンド転換

上のチャートで、チャートの前半は上昇トレンドでしたが、途中から下降トレンドに転換しました。
下降トレンドに転換したのはどこでしょうか?

1分足チャート ダウ理論 トレンド転換

黒い太線のところですね。ここで明確に下降トレンド発生です。
一番下に引いている黒ラインは、30分足や1時間足程度のチャートの押し安値でもあるラインで、このラインを割ってきたことで売りの勢いが増すかもしれない、という場面でもあります。
結果的に一旦は上昇したものの、下がっていますね。

ただ、これが絶対に正解というわけではないです。どこを押し安値・戻り高値とするかでトレンドの見方は変わります。一つ言えるのは、目立たない高値・安値よりも、目立つ高値・安値の方が意識されやすいということです。

目立つというのは、言い方と変えると「上位時間軸のトレンド」ということです。

ダウ理論がメイン、テクニカルは補助的役割

上のチャートに、一目均衡表の雲を足してみます。

1分足チャート 一目均衡表

こんな感じです。わかりやすいですね。
(これは5分足レベルの雲です)

「なんだ。一目均衡表の雲でトレンド判断できるじゃん。わかりやすいしこれで充分じゃん。」
と思ったりもしますが、こういったインジケーターは補助として使うべきで、大切なのはやはりダウ理論の考え方です。高値や安値を割らない限りは雲を上に下に行ったり来たりするだけなので。
雲メインで相場を考えると、レンジ相場の時は痛い目にあってしまう可能性が高くなります。

1分足でさらに細かくラインを引いてみる

ラインですが、細かく引こうと思ったらもっと細かく引けます。
例えばここ。

1分足チャート 短期的な下降トレンド

1分足レベルでの下降トレンドです。時間にすると1時間半ぐらいでしょうか。安値切り上がらず、高値切り上がらない状態がずっと続き、5分足レベルの上昇トレンドも崩壊させました。再度黄色の楕円ですが、チャートの値動きから、このあたりは流れを変えさせまいとする買い注文が入ったんじゃないかなと勝手に想像しています。

ちょっと長い陽線が出たりもしていますが、結局短期的な下降トレンドは崩す事ができず、サポートも割れ、もう一つ大きい下降トレンドをつくるきっかけとなりました。こんな感じで、1分足で高値安値を意識して見てみるのも面白いと思います。忙しないですけど。

ですが、その忙しなさがスキルを身に付けるスピードを速めるとも思います。考え方次第ですかね。

ダウ理論と移動平均線とシグナルを組み合わせる

違う場面の1分足チャートです。チャートにはREVASUSと移動平均線を表示しています。

下降トレンド、下降トレンド崩壊、上昇トレンドへ転換という流れになっていますが、どこでそうなったでしょうか?

僕はこのように見ました。

どこを戻り高値として見るかで、下降トレンド崩壊、上昇トレンドへ転換する場所は違ってきますが、どのように見ても、きれいに上昇トレンドへ転換しているのがわかります。トレンド状態であったとしても、下降トレンドであれば(細かな波の)高値・安値切り上がり、上昇トレンドであれば(細かな波の)高値・安値の切り下がりの値動きには注意したいところです。

ダウ理論を実際にトレードで活かすには、検証を積み重ねてチャートを見慣れることが必要になります。押し安値、戻り高値が意識されていることを確認するには、ラインを引くのがわかりやすいです。
また、チャートを見始めたばかりの人がいきなりマルチタイムフレームで見ても、余計に頭がこんがらがることになるかと思います。まずは単一チャートで、高値・安値の切り上がり、切り下がりに注目してみてください。